午前中写真を整理しながら、我が故郷の「御射山祭り」への道中でしらびそ高原を回ることを思いついた。妻も帰るやいなや同じ事を言ったのだが。
下界と異なりさぞや涼しいことだと期待した、数年前下栗をお盆の見舞いに行ったときは寒くて仕方なかった憶えがある。案の定、下界は34℃を記録しているのに高原では20℃、しかも車の温度計でだ。おそらくちゃんとした温度計では20℃以下を計測できるであろう。残念ながら家を出るときには青空が広がっていたのだが、登り出すと同時に東の雲は怪しくなり、ついぞ南アルプスは雲の中、正面に見えるはずの大沢岳、中盛丸山、兎、聖は姿を現さない。それどこか西から吹き上げる風が高原の稜線で雲に化け深い雲の流れのまっただ中になってしまった。涼しさを通り過ぎ寒いに変わってしまった山荘では高価な暖かい缶コーヒーを飲んで高原を後にした。
松島信雄さんも来ているはずと思いながら、邪魔することを避けて家からは出なかった。狭い谷に響く5寸花火の音は、我が家を揺るがす地響きのごとく子供の頃と変わらないが、その人出と花火の数は間違いなく高齢化、過疎化を物語っている。それでも我が故郷はここにあり。